本棚の前が定位置

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観光気分だけで終わらせないぞ/ Where is Alcatraz?

こんにちは。

11月、2冊目WhoHQシリーズはこちら。

すでに1回記事にしてるんですが、
ただの興味本位で選びました。
アルカトラズといえば?/Where is Alcatraz? - 本棚の前が定位置

内容は
成り立ちから、
内部の構造、囚人の建物内での
過ごし方、脱走劇に至るまで
相変わらずぐいぐい読めて
場面が切り替わるのに
キレイに話が続いていて
すごく読みやすい。
さすがの作者さんでした。

ただ、読後感は苦かったです。
読む前は観光地として、
サンフランシスコに行ったら
行ってみたいなー。って
思っていました。
では今は?

エンタメとして消費するのは
ちょっと違うかな〜と思ったり。
原因はこちら。

「As the last prisoner left the island, a reporter asked him how he felt. “Alcatraz was never no good for nobody,” he said.」

—『Where Is Alcatraz? (Where Is?)』Nico Medina, Who HQ著
https://a.co/25Nkzdc

そう。ドラマでもなんでもなくて
そこに収監されて、
刑に服した人たちが
いっぱいいたんだなという思い。

さらに、ネイティブアメリカン
人たちがAlcatrazの島の
所有権を求めて
立ち上がった過程を知ると
観光気分でいくのは、
軽々しいのかなぁと
ちょっと足踏みしてる感じです。

観光産業としてAlcatrazが存在している
ことは全然問題ないと思うんです。
私の導入が無知すぎて
映画の舞台くらいのイメージだったので
消化できてないんですね。
この本はまた読み直すと思います。

ふと、思い出したのが
15年以上前に、オーストラリアの
エアーズロック(ウルル)に
登ったとき、
「あんな神聖な場所に登るなんて
信じられない!」と
同じツアーに参加してた
ドイツの人に
結構強めの口調でバシッと言われた
ことがあって。
(その人はウルルの周りを散策しただけ)
英語だったし、その場では
よく分かってなかったんですが
いまだに思いだして考え込むんです。
今はもう登るのは
禁止されていますが
当時は世界中の人が登っていて
観光地なんだろうと
単純に考えていたんだと思います。

当時、もっと歴史やそこに住んできた人の
気持ちを知っていれば
別の決断もあったかな、と。
登ったことの後悔より
知らないで登ったことへの
わだかまりがずっと残ってます。

そんなことを思い出した一冊でした。