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ポストエディットは翻訳より難しい

こんにちは。

最近、翻訳業界では
大流行りの「ポストエディット」。

一般の認知度低いですね〜。
今日もそれはなんですか?って
聞かれて説明に困りまして。。

簡単に言えば、
機械翻訳の後の手直し」
なんですが、、
これで済むなら、翻訳者さんの
仕事は一瞬でなくなります。
イチから翻訳する必要
なくなりますから。

では、なぜなくならないのか?

それは、機械翻訳の間違いを
見つけるのが、
手直しをするのが、
すごく難しい、ということです。

今、機械翻訳はすごく流暢で
一見、上手く訳しているように
見えるんですが、
数字が苦手とか、要素が抜けてる
(流暢さを優先して落としてる)とか
全く反対の意味になるなどなど、
機械翻訳の弱点はたくさんあります。
それは別にいいのです。
だって一瞬で別の言語になること自体
すごいですよね!

 

問題はその後なんです。
数字はともかく、
今の機械翻訳の翻訳から
抜けや誤訳を見つけるのは
至難の業です。

さら〜っと読んだら見落とします。
とっても上手ですから。
でも人間だったらしないような
謎な間違えが隠れてます。
文章を翻訳するつもりで
じっくりと判断しないと
見つかりません。
翻訳の経験と知識がないと
直した方がいいのか判断がつきません。
特に専門用語になると
適切に使えているかどうかは
専門知識がないと判断がつきません。
これがわからないママ、
ポストエディットなら安いという
判断をされる場合が多くて
困ったなぁ、なんですよね。
翻訳より簡単でしょとか。

しかも、この修正をやってくれる
高いレベルの
翻訳者さんがいるのか?
ってことですよね。
ハイレベルな方は単価も高い!

そして他人のだろうと、
機械だろうと
自分じゃない翻訳文を直すより
イチから自分で翻訳した方が
確実で読みやすい。
このポストエディットの認識を
どうにか覆したいですね〜。

翻訳者さん側がクセを知り尽くした
機械翻訳を駆使して、
いい翻訳が早くできて、
結果、お金になる、という
構造にでもならない限り、
ちょっと今のままだと
翻訳業界の価格破壊だけで、
必要とされる翻訳の力が
なくなるんじゃないかと心配です。

そして、ポストエディットより
プレエディットの重要性を
本当は伝えたいです。

原文に手を入れて、英訳するなら
英語らしい日本語にするんです。
主語を落とさない、
省略はできるだけしない、などなど。

この本を読むとすごく勉強になります。

※「大全」は誇張かな?と思いますが(笑)
書かれていることは、
これから先ながーく大事なことです。

機械翻訳の研究者さんたちも
機械翻訳は悪くない、
原文が悪い」ってよく言ってますね。

 

機械翻訳もすごいし、
人間の翻訳者さんもすごい。
そのすごさは住んでる世界が違うって
上手く説明できないかなぁ。