本棚の前が定位置

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小説:絵を読む

こんにちは。

 

今日は絵を文字で

表現するなら

この人!

と思っている

原田マハさんの

小説です。

 

風神雷神 by 原田マハ

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専門家は眼の解像度が

高いとでもいうのでしょうか、

どこを見ると

この絵の良さがよく映るか

伝わるか

ちゃんと言語化されている。

 

翻訳でも越前敏也さんの

解説を読むと

なぜ良いのか

悪いか

理由があるんですよね。

 

この本を読むと

表紙の「風神雷神」が

なぜ人を魅了するのか

よくわかります。

俵屋宗達の描く絵が、

目にする絵画が、

なぜ魅力的なのか

絵そのものを

目の前で見ているかのように

現れるのです。

 

ステキ、きれい、

これが好き、止まらず

きっちり

伝わるように

言語化するって

すごい技術・能力だなと

いつも原田さんの

本を読むと感動します。

読んでる途中は

あっという間なので

そんなこと思いもしませんが、

余韻がずーっと続きますよー。

 

普段絵を見ない人こそ

おすすめの作家さんです。

 

最後にこっそり。

この本、上下巻なんですが

もう1巻あったほうが

いいんですよね。

 

遣欧使節団って

行くのももちろん

命がけですが、

帰ってきてからの

苦難の数々は

歴史の教科書では

流されてしまいがちですが、

壮絶です。

 

だからこそ、

風神雷神のきらびやかさ

とは対照的な

あの時代の苦悩も

読んでみたかったと

惜しい思いがしました。

 

遠藤周作さんの沈黙と

塩野七生さんの

ルネッサンス期のイタリア三部作

読み返したくなりました。